近所のディスカウントショップで軽いかわいがりを受けました [駄文選]
けだるい日曜日の午後、猫のエサを買いに近くのディスカウントショップへ行きました。
新しいエサを見つけたり、ササミにするかカニかまにするか迷ったりしていたところ、背後から……。
「なんだ!お相撲さんか!!」
って、大声が。叫び声に近い大声が。振り向くと七三のオッサン。
「なるほど、お相撲さんね」
再び大声で叫ぶオッサン。その声の大きさたるや、緊急時レベル。“誰か倒れてます!助けて!!”ってくらい。そのフロア全体に響き渡る騒ぎ。
つーかさ、何がお相撲さんなの? お相撲さんがどうしたの? そんな大声でどうしちゃったの? ねぇねぇ? なにか見えちゃったの?
オッサンは同デシベル(※乗用車のエンジン音程度)のまま、話を続けた。
「いやね、大きな女がいるなぁって見ていたんだけどね。髪の毛縛ってるからさ」
髪の毛縛っている大きな女?……髪の毛縛っている?……もしかして?……
俺じゃん! それ、俺のことじゃん!!
七三はまじまじと俺を見つめながら。
「なるほどなるほど、お相撲さんね」(大声)
「いや、違いますから」
「いや、お相撲さんでしょ?」(大声)
「いや、お相撲さんじゃないですから。これ、髷(マゲ)じゃないですから」
「いやいや、それは髷。だって相撲の髷というのはな……」(大声)
さすがは下町のオッサン。幼い頃から相撲を愛し、間近に相撲部屋を見て育ち、足繁く両国へ通ったに違いない。ならば当然のことながら、銀杏を模する髷に関しても一家言持って……
「まあ、それはいいや」
ないのかーい! おーい!七三やーい!!
「とにかくお相撲さんだって」(まだ大声)
「いや、お相撲さんじゃないですから」
「お相撲なのになぁ……」
そのまま消えていった七三。
つーか、お相撲さんと間違えられるなんて……(遠い目)。
※写真はイメージです。村上隆と本文は一切関係ありません。
お相撲さんかい?
by モンタンハァハァ (2007-11-20 00:18)
>モンさん
いや、だから、お相撲さんじゃねぇですから!
by ウエノミツアキ (2007-11-20 02:41)