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【超ロング】目押しのお礼はなんでしょう? [遊技選]

 昨日、ういちとバイオを打ちました。
 そのとき、ういちの隣で目押しできないおじさんがバイオハザードに突入。「チャンス!」という掛け声を聞いたがどうするかわからず、ういちに「どうするんだ?」と。そこでういちが目押しをしてやりながら打ち方を教えてあげてるのを見て、先日遭遇した世にも奇妙な体験談を思い出しました。今日はその話を少々いたしたいと思っておる次第でありますですはい。



 バイオ(※ちなみに商業誌では“バイオ”という簡略形の表記ではダメ。“バイオハザード”だけでもダメ。“パチスロ『バイオハザード』”といちいちキッチリ表記しなきゃダメなんだって。メーカーに怒られるんだって。めんどくさ)は、恐らく現行機種で最も「目押しができないと損をする」機種であり……ていうか、損、ていうか、ゲーム性が完全に崩壊するっていうか、台無しっていうか、打つ意味がないっていうか、「目押しできないヤツは帰れ!」機種であります。
 まあ、目押しとは言っても、赤っぽい辺りと青っぽい辺りを狙って押せればOKというレベル。

 しかしそれすら出来なくても十分楽しめる機種が今のスロットコーナーでメインとなっていることにより、パチスロ本来の遊び方である“回転するリールの絵柄を狙って止める→揃って大当たり!→大喜び!!”というのは捨て置き、“適当にストップボタンを押す→離す→ランプが光った!→大喜び!!→呼び出しボタンを押す→あとは店員が揃えろや”という遊び方のみで巣くう輩が台頭しております。メイン客となっております。

“ストップボタンを目押し→揃う→喜ぶ”ではなく、“光る→喜ぶ→呼び出しボタンを押す”という遊びに興じる輩。

 もはやストップボタンとは名ばかりで、そのボタンは離すことにより“GOGOランプ”を点灯させるためだけの装置でしかなく。つまりは目押し=狙って押すという行為からの脱却。ボタンは押すより離すのが大事。ねじってなんぼ。リールを見ることなく押し、ねじりきってこそ本望。目押しなどどうでもいい。目押しの放棄。目押しからの卒業。この目押しからの卒業。目押ししていったい何揃うと言うのか。ドハズレ目の他に何が残るというのか。客はリールに縛られたかよわき小羊ならば、店員あなたはかよわき客の代打ち者なのか。仕組まれた制御に、客気づかずに、あがいた日々も終わる。この目押しからの卒業。闘いからの、卒業……

 って、端から闘ってないよ! 目押し放棄でも魔法の呼び出しランプを点灯させれば、店員ないし隣の親切な客が揃えてくれるから、一切問題なし!

 ……という、北電子おじさんの繁殖。北電子おばさんの増殖。

 もちろん、彼ら彼女らの存在を否定するわけじゃないよ。どちらかといえば、そちら側だし。ジャグラー、打つし。ぶどうの次で光ってバカ連チャンするのなら、アホほど打つし。そうじゃないのも、とにかく光らせたくて、打つし。打っちゃうし。ねじっちゃうし。わりとねじっちゃうし。ねじりすぎて、指を離せなくなっちゃったりするし。指を離すタイミングを逸しちゃったりするし。
 おじさんおばさんらの話を話を聞いてるのも好きだよ。波理論やツブ理論は一家言あるし。何万回、何十万回とペカらせてきた上での経験則には一目置かざるを得ないし。そのねじりきり方も時に優雅だったり、時に激しかったり、時に美しさすらあって。さながら職人気質だし。

 そう、ピエロの前だと輝きを放つ、北電子おじさんおばさん。
 だから毎日、ジャグラーのシマへ直行する。
 しかし、そんなノネナールネジリスト(もしくは加齢臭道化師)の増殖に台数が付いてこれてない店も多く。あぶれてフラフラと他のシマへ迷い込んでくることがよくある。
 それが沖スロのシマならまるで問題ない。
 ノーマルAタイプでも、さして問題はない。確実に光る気持ちよさがないから面白くなくてすぐやめるだろうし。

 ところが、なぜかART搭載機種のシマへ迷い込むことが多い。
 それでもキン肉スグルなら、まだまし。
 ART中の赤or青をミスってもRTが消えるだけでAT機能は残る。画面上の変化もそれほどなく、しかもサンドバッグの色と小役の色が一致して成立しているのを見ると、なんか当てた感が伴って、それなりに楽しんで打てるはず。
 まあ、なんか当たってるのにまるでメダルが増えないどころか、お金を投入している時点で「おかしいなぁ」とは思うだろうけど、当たってる感だけはあるからね。まだまし……かなぁ。

 で、それがバイオとなると、もう悲惨。
「バイオハザード!」ってドスの利いた声が聞こえて画面が変化。「なんか当たった?」って思って打っていると、「チャンス!」という掛け声。よくわからないので、適当に押したらチャンスの文字が暗転。ガッカリムード。ところがこれ、実は超ガッカリな失敗。なにせ1回失敗した時点でAT機能が消滅するので、以後小役当てた感消滅。でも、画面はさっきと変わらないからそのまま打ち続けているとまた「チャンス」→失敗→「チャンス」→失敗、で、バイオハザード終了。3回押し順失敗でART消滅ですから。え? と思ってしばらく打っていたら、また「バイオハザード!」ってね。そういうときに限って複数ストック当選してるもんですから。そしてまたもや、チャンス→失敗→チャンス→失敗……。ただ、ひたすらお金を入れ続けるだけの遊技。
 それが、もしプレミアムARTを引いている時だとしたら……ブルブルッ!

 見ているこっちが居たたまれなくなるから、「目押しできない人は打っちゃダメ! 遊び方を理解してない人は打っちゃダメ!」って張り紙しろよっていう話。
 しかしそういう人が打ってくれた方が店は儲かるからして、そんな張り紙するわけなく。


 その日もフラフラッとジャグラーコーナーから迷い込んできた北電子おばさんがひとり。バイオを打っていた僕の左隣に座ったんですよ。奥さん!

 まあ、見るからに目押しできない&仕組みを理解していないおばさん。で、例に漏れず、即座に特殊リプレイを引き、すぐさま「You make the bonus!」。もちろんメイクできるわけなく。どうするのか横目で見ていると……


 ジーーーーーっと見つめられてるよ! 俺をジーーーーーっと見つめているよ!!


 えーっと、魔法の呼び出しボタンさえ使わない、強力目力ウィッチおばさんの登場なのだ!
 まあ、ボーナスくらいは目押しするよ。それはね。でも、バイオはボーナス中も狙って押さないとならない。それはもう、逐一説明するしかないわけです。無視できるほどの精神力は兼ね備えてないですから。
「この台、ボーナス中も大変だよ。左に赤と青の両方が表示されたら適当に押せばOKだけど、こういう風に赤だけとか、青だけとか表示されたらその色を狙って止めなきゃならないんだよ。あとチェリーが出たら、チェリーを狙う。で、何も出なかったら全部赤、もしくは全部青を狙って止める。それで揃うとバイオハザードっていう……って、それはまあ、いっか。とにかく難しい台だから、このボーナスが終わったら止めた方がいいよ。ね」
 で、頷いて打ち始めたおばさん。もしかしたら赤辺りとか青辺りは狙えるかも、と期待して見ていると早速左に青。で、速攻、適当打ちって、おい!!
「だからね。赤か青かのどちらかが出たら、狙って打たないとダメなの。わかる?」
 で、頷いて、すぐ赤出たところで自分では止めずに……ジーーーーーッ。

 はい、わかりましたよ。その都度、僕が目押ししますよ。そのくらいはやりますよ。ただ、このビッグボーナスが終わったら止めようね。自分じゃできないんだから。ボーナス揃える以外にもたくさんやることあるんだから。このボーナスが終わって70ゲームの高確ゾーンも抜けたら……で、案の定、ビッグ中にボーナス絵柄が揃って、終了後ART突入確定。
 まあ、やるしかないよね。こうなったら。もちろん逐一説明しながらやりましたよ。
「チャンスって声が聞こえたら、このマークが付いたところを狙って止める。男の声なら青辺り。女の声なら赤辺り。男だったから青辺りを狙うと中央に7が止まるでしょ? その後はマークが付いた順に適当に押していくだけ。あとはボーナス中と同じく、左が青なら青、赤なら赤を狙って打つ。このRってときは適当に。ね? 難しいでしょ。今回は俺がやってやるから、これが終わったらもう止めなよ。無理だから。ね」
 で、50Gを俺が全消化。20G抜け。
「これでもうチャンスはないから。このコインを持って流しな。ね」
 頷くおばさん。箱を手に……


 取るかと思いきや……レバーをガンッ!


 えーっと……誰かぁ! 助けてぇ〜〜!!
 このおばさん、変です! 助けてくださ〜い!!


 呆気にとられて、今度は俺の方がジーーーーーっと、おばさんを見つめるも、無視して打ち続けるおばさん。

 とりあえず心を落ち着かせるためにトイレに行く、俺。しばし思考。


「……あ、なるほど。耳が聞こえないんだ。そうだ。俺の言ってること、理解できないんだ。きっと、そうだ。そうに違いない。そうとしか考えられない。理解できない。だよね。そうなんだよね。おばさん。ね。もしくは日本語がわからないとか? なーんだ、そういうことか。じゃ、仕方ないよね。仕方ない、仕方ない」

 理解不能の事態を無理矢理納得して戻ると、またもやおばさんの液晶に大きくBONUSの文字。
 俺が居なかったため、今度は左隣の兄ちゃんをジーーーーーっと見ていた。そいつはプレミアムART中。なので心おきなくおばさんを譲った。

 タイラントより手強いと思うけど、がんばれ!

 おばさんはその男からまったく俺と同じ説明を受けていながら、まったく俺のときと同じく、適当に打つか、もしくはジーーーーーっと見つめるだけ。仕方なく目押ししてやる男。
 で、案の定、ART突入。男は俺よりちょっと面倒くさがりだったらしく、「そこに説明書あるから、それを読んで打ちなよ」と冷たくあしらったのだが、そのおばさんは説明書を手に取ることすらなく、難しそうな演出が出るたびに、男をジーーーーーっと見つめる。ひたすらに。ただ、ひたすらに。
 さすがに無視できない男は、仕方なく目押しする。何回も。案の定、おばさんは複数ストックを引いたりしたので、それはもう何回も。REGの消化も含め、何回も。それはもう何回も。キレ気味で大きな舌打ちをしてもビクともせずに見つめるおばさんのために、何回も。それはもう何回も。

 ていうか、プレミアムARTを引いているのにキレている人を初めて見ました。

 結局、おばさんはその目力だけですべての目押しを他人によって完遂。
 目押しできなくてもバイオハザードを損することなく打てることを証明してみせたのです。

 凄まじいね。凄まじいよ。

 で、ストック全放出して、落ち着いたところでおばさんは両手いっぱいのメダルを抱えてカウンターへ向かった。
 さすがにね。あれだけ目押しをさせておいて、何もお礼しないっていうのはね。さすがにね。

 予想通り、おばさんは両手に飲み物らしきものを持って帰ってきた。
 パチスロコーナーは薄暗いため遠目にはハッキリわからないが、右手にはマウントレーニアのカフェラテっぽいパッケージ。一方、左手には小瓶らしきパッケージを握っていた。
 席に座り、まずは右手に持っていたパッケージを自分の席のホルダーに置いた。それは自分で飲む用らしい。そしてもう一方の小瓶らしきものを目押しを散々してくれた男に渡した。

 遠目で見た感じ、リポDのような、タフマンのような。
「おつかれさま」ってことか。ちょっと嫌みっぽくもあるけど、まあまあ。気持ちってことで。
 それをおばさんが男に差し出す。受け取った男……思いっきり目が点に。まあね。栄養ドリンクってね。普通はコーヒーかお茶なのに、栄養ドリンクって……ん? あれ? よく見ると、金色のパッケージ? 金色の栄養ドリンクなんて……ん? もしかして……え〜〜〜〜〜!






























sh0691.jpg



 えーっと……誰かぁ! 助けてぇ〜〜!!
 このおばさん、やっぱり変です! 助けてくださ〜い!!



 ……あ! いやいや。そうだった。このおばさん、日本語がわからないんだった。
「ウコンの力」も“力”くらいしか読めないから、それを見て栄養ドリンクか何かだと思ったんだよね。きっとそうだよね。だって、目押しのお礼にウコンの力って。そんなバカなっていう話ですよ。日本語が読めない、日本語が理解できない。だから説明書も読めないし、仕組みも理解できない。それで打っちゃったら出ちゃった。心苦しいけど、日本語のわかる人で、ちゃんと揃えられそうな人に頼るしかない。仕方ない。それで終わったらちゃんとお礼しよう。コーヒーやお茶じゃ足りないくらいお世話になったから、栄養ドリンクを差し上げよう。現金とかじゃ生々しいから、このドリンクコーナーで一番高い、この栄養ドリンクにしよう。“力”って書いてあるから栄養ドリンクに違いない。これにしよう。これをお礼に上げよう……って、思っての行為に違いないよね。そうだよね。うんうん。そうだそうだ。だって、よく考えたら一言もしゃべってないもん。お願いするときだってジーーーーーっと見つめるだけだし。やっぱしゃべれないんだよ。日本語がしゃべれないのか、まるでしゃべれないのか。そうだそうだ。そうに違いない。うんうん。それなら仕方ないよね。うんうん。


 そこに、ジャグラーコーナーから出てきたひとりの女性。トイレにでも行くのか、バイオのシマを早歩きしているところで、そのおばさんに気づいて……

「あら、○○さん? こんなところに居たの?」
「うん、でもこの台、あんまり出ないのよね」
「隣空いたから移れば?」
「うん、そうする」

 で、精算ボタンを押して中のメダルを出して、全部箱にザシャーって入れて、小走りでジャグラーコーナーに行ったかと思うと、すぐに戻ってきて持ち忘れたマウントレーニアを片手に取って、俺と男の双方にひとつも目をくれず、おばさんは走り去った。


 えーっと……めっちゃめちゃ綺麗な日本語しゃべってるし。
 言うに事欠いて、「この台、あんまり出ないのよね」だって。








 うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!


DVC00260.jpg




 その直後、プレミアムARTを引いているのに台のパネル部分を思いっきし殴っている人を初めて見ました。
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ういち

ムカつく人の真相、やぶれたり!
by ういち (2008-09-05 02:04) 

おおとじま

ワロタw

ちなみに、俺がいく店にも目押しが一切できないのにやたらART機に座るおっさんいるよ。
で、俺が打ってるのを見かけると、どこの台にいても目押しに呼びに来る。
北斗将でスイカナビでも呼びに来る。

で、今までお礼なんてもらったことない。
お礼どころか、俺が出してると本気の舌打ちとかするしね。自分にも出る台教えろとか言ってくるしね。

目押しをさんざんしてやったあとに、自販機で飲み物買ってるから「お、珍しい!」と思ってたら自分の分だけだもんね。

なんでこんなおっさんの目押しなんてしてやってんだろうね、俺。
by おおとじま (2008-09-05 10:11) 

姫の行く路

最近のパチスロは、ノー知識じゃやられますよね~。
無双打った後、スグルとかだとこの色を押すのか、避けるのか。
ごっちゃなんねんなーーー。

しかし、今回の日記。いや、実録小説。

かなり、おもろいです。
by 姫の行く路 (2008-09-05 10:36) 

ミツお

いやー笑いました。
尾崎のトコらへんから、腹筋ビクビクしちゃいました。
ありがとうございました。

てかバイオ知識あってもART引けないっす。
画面切り替わり時に、真っ暗になるたび
自分の顔が映りこむのがイヤすぎますね。
負けてる顔してら、って思っちゃいます。
by ミツお (2008-09-12 12:57) 

ウエノミツアキ

>ういち
うん。無理。

>おおとじま
お人好し。だから博打だけでは食えない。

>姫さん
ありがとうございます。
今後も年一ペースで面白くなるようがんばります。

>ミツおさん
その死にそうな自分の顔を見るたびに、いっそこのままクリーチャーにしてくれって、ウェスカーにお願いしたいくらいです……あ、ウェスカーにもほとんど会えないでした。押し順を考え過ぎちゃって。逆に。
by ウエノミツアキ (2008-09-16 13:05) 

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