SSブログ

で、飲んだ後、タクシーを拾おうとしたところ…… [駄文選]

ODA氏と帰る方向が一緒だったので、連れ乗り。
最初に拾ったタクシーに、「1人はこの先で下ります。で、1人はMまで」と告げたのだが、
「M?・・・Mってどこでしたっけ?」

いやいや。タクシーの運チャンとしてそれは言っちゃいけないでしょ。それだけは。
ダメ過ぎだなってことで下りて後ろのタクシーに移動。

「1人はこの先で下りて、もう1人はMまで」
「M?・・・」
「もしかしてアンタもMの場所を知らないの?」
「えぇ・・・」

えぇじゃねぇだろ! おい!!

仕方なくそのまた後ろのタクシーへ。今度は乗り込む前に訊く。
「Mって知ってます?」
「M? M田ですか? M屋ですか?」
「M屋です」
「はい。もちろん。どうぞ」

なんかその運チャンがものすごく出来る人に見えた。

「前の2台は知らないって言ったの?」
「えぇ」
「あり得ないよね。M屋ってキーポイントだからさ。タクシーでは」
「そうなんですか」
「そうそう。試験にも出やすい場所だし」
「試験?」
「そう。タクシーの運転手になるには試験を通らなければなんないですよ。それ通っているはずだから、勉強しているはずなんだよね。そこでM屋は知っているはずなんだよ。普通は」
「へぇ。ちなみにどんなテストなんですか? 地図に丸を付けるとか?」
「えぇ。そういうのとか、あとは例えば『Aで客を拾いました。客はBに行きたいと言ってます。どこを通って向かいますか?』ってね」
「なるほど」
「いや、難しいんですよ。昔は7割くらいが通ってましたが、今は4割くらいですから。簡単じゃないですよ。簡単じゃない」

えーと、アンタ、もしかして自分が出来るって言いたいの? もしかして? ねぇ?

「なるほどね」
「いや、私も地名を言われて全部解るわけじゃないですけどね。でも、サービス業ですから。こっちは」
「ですよね。『解らない』は言っちゃダメですよね」
「えぇ。そこはねぇ。例えば『Mって言うと……』なんて間を置けば、お客さんが『○○通りを通って』って言ってきますから、そしたら『○○通りですね。はい、解りました。その先はお客さん、指示してもらえますか?』って言えば、いいわけですからね」
「そうですよね。上手いことやってくれって話ですよね」
「えぇ。でも、その行き先でのトラブルってのはやはり絶えないんですよ。この業種はね。トラブルっていえば、こんな話がありまして。あるお客さんがね、酔っぱらってタクシーに乗ってきたっていうんですよ。でね、運転手が『お客さん、どこ行きましょうか?』って言ったらその客が、『聞くな』って。まあ、相手が酔っぱらいだけに、ふざけてんだろうってね。それでもお客さんですから、そこは丁寧に聞き返すわけですよ。『お客さん、そんなこと言わないで教えてくださいよ。どこ行くんですか?』ってね。でも、客は『聞くな』って。『聞くなって言われても、それじゃ車出せないですから、頼みますよ』って言っても、『だから、聞くなって言ってんだろ!』って。運転手もさすがに腹を立てて、『聞くなって言われても、聞かないわけにいかないでしょ! 冷やかしか! アンタは!! なら、下りろ!!』ってね。『お前、何、言ってんだ! 聞くなって言ってんだろ!! キクナだよ! キクナ!!』。実は神奈川に“菊名”って地名があったんですよ」

というわけで、咄家タクシーに乗ったという、お話。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

PORNO

こういう話、好きだねオレは。
by PORNO (2005-10-20 19:06) 

ウエノミツアキ

>>ポルノ
俺も!
by ウエノミツアキ (2005-10-21 16:09) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。